浴室
2025.01.06
在来工法浴室のリフォームには、伝統的な魅力を活かしつつ、現代のニーズに応じた多様な選択肢があります。
築年数の経過した住宅に多い在来工法浴室は、タイル張りの独特なデザインが特徴ですが、寒さや掃除のしにくさといった課題を抱えていることも。
リフォームを考える際には、費用やリフォーム方法、そして成功事例などの情報をしっかり押さえておくことが重要です。
本記事では、在来工法浴室リフォームに関する基礎知識から実際の施工事例、さらに注意すべきポイントや補助金の活用法まで、わかりやすく解説します。
これを読めば、自分に合った最適なリフォームプランが見つかるはずです。
それでは、在来工法浴室リフォームの世界へ一緒に踏み込んでいきましょう!
目次
在来工法浴室とは、現場で一から造られる浴室のことを指します。
一般的にはコンクリートで基礎を固め、その上に防水層を設けてからタイルやモルタルを使って壁や床を仕上げます。
この工法は、デザイン性が高く自由度があることが特徴です。
例えば、浴室の広さや形状に応じて柔軟に対応できるため、個性的なデザインや特別な素材を取り入れたオリジナリティあふれる浴室を作ることが可能です。
一方で、施工には高い技術力が求められるため、熟練した職人による丁寧な作業が欠かせません。
そのため、工期が長くなりがちであり、ユニットバスに比べて費用も高くなる傾向があります。
在来工法浴室の最大のメリットは、デザインの自由度が非常に高い点です。
ユニットバスはあらかじめ規格化されたパーツを組み立てるのに対し、在来工法では現場で一から造るため、浴室の形状や広さに制約がありません。
そのため、狭い空間でも無駄なく広く見せる工夫を施したり、檜や石材といったこだわりの素材を用いることで、オリジナリティあふれる浴室を作ることができます。
また、壁や床に用いる素材や色も自由に選べるため、自分の理想の空間を実現しやすい点も魅力です。
一方で、在来工法浴室にはいくつかのデメリットもあります。
まず挙げられるのが、施工にかかる費用が高いことです。
ユニットバスは工場であらかじめ製造されたパーツを現場で組み立てるため、比較的安価に施工できます。
しかし、在来工法は現場ごとに異なる設計や施工が必要なため、手間がかかり、その分費用も高くなります。
また、施工期間が長くなる点もデメリットの1つです。
特に冬場の工事では、コンクリートの乾燥や防水工事に時間がかかるため、工期が延びるリスクがあります。
さらに、タイル張りの壁や床は、目地に汚れがたまりやすいため、日常の掃除に手間がかかるという声も少なくありません。
こうしたメリットとデメリットを踏まえ、自分のライフスタイルや予算に合ったリフォーム方法を検討することが大切です。
ユニットバスへのリフォームは、コストパフォーマンスが高く短期間で施工できる点が魅力です。
既存の在来工法浴室を解体し、新しいユニットバスを組み立てて設置します。
この方法では、工場であらかじめ製造されたユニットバスを現場に運び込んで組み立てるため、工期が短縮され、施工費用も比較的抑えられます。
ユニットバスへのリフォーム費用は、一般的に100万円から200万円程度が目安となります。
費用は、ユニットバスのグレードやオプションによって変動します。
例えば、シンプルなモデルであれば100万円程度で済む場合がありますが、高級仕様や追加機能を選択すると200万円を超えることも珍しくありません。
施工期間は、おおよそ3日から1週間程度です。
解体作業や新しいユニットバスの設置にかかる日数は、既存の浴室の状態によって変動します。
特に、解体後に土台や配管に問題が見つかった場合には、追加工事が必要となり、工期が延びる可能性があります。
そのため、事前に業者にしっかりと調査を依頼し、リスクを最小限に抑えることが重要です。
既存の在来工法を活かしつつ、最新の機能やデザインを取り入れたリフォームも人気があります。
この方法は、オリジナリティを重視したい方や、タイル張りの浴室の雰囲気を残したい方に適しています。
在来工法浴室を維持するリフォームの最大のメリットは、自由度の高さをそのまま活かせることです。
例えば、オリジナルのタイルデザインを活用したり、檜や天然石を用いた高級感のある浴室を実現することができます。
また、既存の浴室の広さや形状をそのまま活用するため、大規模な解体工事を避けられる場合もあります。
一方で、この方法にはいくつかのデメリットもあります。
まず、施工が複雑になりやすいため、工期が長くなることが多いです。
また、細かいデザインや素材選びにこだわる分、費用が高額になるケースも少なくありません。
特に、防水性や断熱性を向上させる工事を追加すると、さらにコストがかかる点に注意が必要です。
ハーフユニットバスとは、浴槽や床をユニットバスとし、壁や天井は在来工法を活かすリフォーム方法です。
この方法は、ユニットバスのメリットと在来工法の良さを組み合わせたスタイルが特徴です。
ハーフユニットバスへの変更費用は、150万円から250万円程度が一般的です。
施工期間は、5日から10日程度が目安となります。
特に、既存の浴室の形状に合わせてオーダーメイドする場合には、費用や工期が増加することがあります。
在来工法浴室のリフォームでは、ユニットバスや在来工法そのものを活かす方法以外にも、低コストかつ短期間で施工できる選択肢がいくつかあります。
ここでは、特に「エコバス」と「パネル工法」について解説します。
エコバスリフォームとは、既存の浴室を解体せずに補修・改装する手法です。
具体的には、傷んだ箇所を補修し、防水性や美観を向上させるために特殊なシートや塗装を施します。
この方法の大きなメリットは、費用が抑えられ、工期が短い点です。
一般的には、10万円から40万円程度の費用でリフォームが可能であり、施工日数も1日から3日と非常に短期間で完了します。
ただし、部分的な補修に向いているため、経年劣化が進んだ浴室全体を大規模に改装する場合には不向きです。
パネル工法とは、既存の浴室の壁や床に防水性の高いパネルを貼り付けることで、見た目と機能を一新するリフォーム方法です。
この方法では、浴室の解体作業を行わず、直接パネルを取り付けるため、短期間でリフォームを完了できるのが特徴です。
費用は、20万円から100万円程度で、施工日数は1日から2日が一般的です。
また、施工後は清掃がしやすくなるため、日々の手入れが楽になります。
ただし、元の浴室に構造的な問題(腐食や水漏れなど)がある場合には対応できないため、事前に業者による現場調査を受けることが重要です。
項目 | エコバスリフォーム | パネル工法 |
---|---|---|
費用 | 10万円~40万円 | 20万円~100万円 |
施工期間 | 1~3日 | 1~2日 |
特徴 | 部分的な補修に適している | 防水性・清掃性を向上できる |
向いているケース | 軽微な補修が必要な場合 | 浴室の美観と防水性を改善したい場合 |
エコバスリフォームとパネル工法はいずれも低コストで簡単にリフォームができる点が魅力ですが、根本的な修繕が必要な場合には対応できないというデメリットがあります。
特に、長期間使用している浴室や、目に見えない部分で劣化が進んでいる可能性がある場合は、これらの方法だけでは問題を解決できないことがあります。
そのため、これらの工法を選択する際は、信頼できる業者に現状を詳しく診断してもらい、適切なアドバイスを受けることが大切です。
賃貸アパートオーナーが、築年数の経過による寒さや水漏れの改善を目的に、在来工法浴室をリフォームしました。
費用を抑えるため、シンプルなユニットバスを導入し、工事期間も短期間で完了。
55万円の費用で、わずか3日間の工期でリフォームが完了し、入居者の満足度が向上しました。
このように、賃貸物件では低コスト・短期間での施工が重視されるため、ユニットバスへの変更は最適な選択肢となります。
築40年の戸建て住宅で、在来工法浴室から高級感のあるユニットバスへ変更した事例です。
オーナーの要望により、モダンなデザインのユニットバスを採用。
費用は約90万円で、浴室暖房乾燥機の設置も行い、冬場の寒さ対策も万全にしました。
リフォーム後は、見た目の高級感と機能性の向上により、家族全員が快適に使える浴室に生まれ変わりました。
築50年以上の住宅において、タイル張りのクラシックな雰囲気を残しつつ最新の機能を取り入れたリフォームを行いました。
この事例では、既存のタイルを一部残しつつ、防水性や断熱性を強化するために最新の防水工法を採用。
費用は約200万円、工期は2週間で、伝統的な美しさと現代的な快適性を両立した浴室となりました。
在来工法浴室のリフォームでは、解体後に予期せぬ問題が見つかることがあります。
例えば、土台の腐食や配管の劣化などは解体しなければ分からないため、追加工事が必要になる場合があります。
こうした追加工事のリスクを最小限に抑えるためには、事前調査を徹底することが重要です。
さらに、見積もり時に「追加工事が発生した際の対応と費用」を確認しておくと安心です。
信頼できる業者を選ぶことも、予想外の費用を防ぐポイントです。
リフォーム費用を抑えるために、補助金や助成金を活用するのも賢い方法です。
国や自治体では、リフォームを支援するさまざまな制度を用意しています。
要介護者や要支援者がいる家庭では、介護保険を利用して費用の一部を補助してもらえることがあります。
手すりの設置や段差解消、滑りにくい床材への変更など、安全性を高める工事が対象です。
補助金は最大18万円で、条件を満たせば自己負担を軽減できます。
申請には、ケアマネージャーや自治体への相談が必要です。
長期優良住宅化リフォーム支援事業は、住宅性能を向上させる改修に対して補助金を支給する制度です。
浴室リフォームにおいては、断熱性能を高める工事などが対象となり、補助金額は最大210万円です。
申請は業者を通じて行うため、リフォームを依頼する際に適用条件を確認しておくことが重要です。
在来工法浴室リフォームは、自分のライフスタイルや予算に合った方法を選ぶことで、快適で満足度の高い空間を作り出すことができます。
ユニットバスへの変更や在来工法を活かしたリフォーム、さらには補助金の活用まで、選択肢はさまざまです。
本記事で紹介した内容を参考に、理想の浴室作りを進めていきましょう。
また、リフォームの際は信頼できる業者に相談し、事前にしっかりと計画を立てることが成功の鍵となります。
ぜひ、自分に合った最適なリフォームプランを見つけてください。
この記事を書いた人
原崎 光基
2級施工管理技士。学生時代から愛知県で育ち、8年間の現場監督経験を積み、これまで600件以上の実績があります。現場では、実際の状況を見て的確な判断を下すよう心がけています。お客様の不安や疑問に真摯に向き合い、数々の経験を生かしたご提案をしています。他社とは異なるその場でお答えする提案でお客様の期待に応え、好評をいただいています。
2級施工管理技士。学生時代から愛知県で育ち、8年間の現場監督経験を積み、これまで600件以上の実績があります。現場では、実際の状況を見て的確な判断を下すよう心がけています。お客様の不安や疑問に真摯に向き合い、数々の経験を生かしたご提案をしています。他社とは異なるその場でお答えする提案でお客様の期待に応え、好評をいただいています。